洪水調節、水道用水の供給、発電を目的として1964年に完成。高さ73m、長さ254mの堂々とした偉容を誇るドーム型アーチ式のダムで、その形が翼を広げた鳥の姿を思わせるところから、ダム湖は「鳳凰湖」と呼ばれています。
迫力のある放流が魅力 天ケ瀬ダム
天ケ瀬ダムは西日本屈指の大河川・淀川に建設された唯一のダムです。高さ73.0メートルのアーチ式コンクリートダムで、淀川の治水と宇治市への上水道供給、総出力59万8,000キロワットにも及ぶ水力発電を目的とした特定多目的ダムです。
このダムは宇治市街に近い都市型ダムです。ダムより2.3kmの至近距離に世界文化遺産に登録された平等院や宇治橋、天ヶ瀬森林公園があります。また京都市内にも近く、京滋バイパスを利用する事で大津市・比叡山・石山寺にも近く、こうした事から観光バス等を連ねて観光客が多く訪れられ、遠足や、社会科見学などでも毎年多く利用されております。
ダムによって形成された人造湖は1987年(昭和62年)に平等院鳳凰堂が近いこと、アーチ型の堤が、羽を広げた鳳凰に見えること等に因んで「鳳凰湖」と名付けられ、平等院鳳凰堂などと共に宇治地域の主要な観光地となっています。
天ケ瀬ダムの周りには、自然が豊かで、桜や紅葉の名所となっています。特に春には、天ケ瀬ダムから下流の発電所までの道のりが、見事な桜のアーチになっており、徒歩で来られる観光客でにぎわいます。下流右岸には旧宇治川電気志津川発電所の煉瓦造りの建物が残っています。大正13年に建設され、当時としては画期的なダム式発電所でしたが、昭和38年、天ヶ瀬ダムの建設によって廃止、建物のみが残っています。
土木学会の「日本の近代土木遺産~現存する重要な土木構造物2000選 」に選定されていて、レンガ造りの趣深い建物が、周囲の景観にマッチしており、一つの見どころとなっています。
天ケ瀬森林公園
天ヶ瀬森林公園は、宇治市民の水瓶となっている天ヶ瀬ダムの右岸に位置し、近くの宇治川の畔には、歴氏を物語る平等院が鎮座し、観光客で賑わっています。
標高365mの槙尾山の山腹を整備した公園内には、管理の行き届いた林間広場や展望台、野鳥観察小屋、休憩所、トイレ等が設置され、さらに各施設を結ぶ林道や歩道が多数整備されていて、野鳥の森、散策の森などでは、バードウォッチングや植物観察を気軽に楽しむことができます。
豊かな自然環境に恵まれ、春はサクラやツツジ等の花やウグイス、ホトトギス等の野鳥の鳴き声、夏はサルスベリの花、秋はモミジやカツラの見事な紅葉、冬は積雪があれば鹿、狐、兎等の足跡を見ることができるなど、四季を通じて自然観察が楽しめます。
また、公園内の歩道は、ハイキングコースとしても適しており、目的や体力に合わせて、ファミリーコース、森林体験コース、健脚コースの各モデルコースが設定され、森林公園の槙尾山展望台からは、宇治市、京都市をはじめとする180度のパノラマが一望することが出来、体いっぱいに家族で森林浴ができる憩いの場となっており、特に春と秋にはたくさんの家族連れの観光客が訪れます。
アクセス
〒611-0021
京都府宇治市宇治金井戸15
■電車
・JR奈良線で「宇治駅」下車、徒歩約50分。
・京阪電鉄宇治線で「京阪宇治駅」下車、徒歩約40分。
■お車
【大阪方面から】
名神高速「大山崎」ジャンクションから京滋バイパスに乗り換え、「宇治西」インターから京滋バイパス側道を直進
【名古屋方面から】
名神高速および新名神「瀬田東」ジャンクションから京滋バイパスへ乗り換え「宇治東」インター出口左折
【奈良方面から】
京奈和自動車道「城陽」インターから国道24号線を経て京滋バイパス側道へ右折
■ご留意事項
・放流を行っている日と行っていない日があります。
・一般の見学者の方の駐車場はありません。