ときの権力者、関白藤原道長が譲り受けた別業をその子頼通が、永承7年(1052)にこれを仏寺に改め、平等院としました。永承7年は末法初年に当たるとされ、末法思想が貴族や僧侶らの心をとらえ、極楽往生を願う浄土信仰が社会の各層に広く流行していました。
その翌年の天喜元年(1053)には平等院の阿弥陀堂(鳳凰堂)が落慶し、堂内には、平安時代の最高の仏師定朝によって制作された丈六の阿弥陀如来坐像が安置され、華やかさを極めたとされています。約1000年前に建立された建造物や仏像が今に伝えられ、世界遺産にも登録されております。
(本頁は2012年製作です。2014年4月、平成修理完了以降に来院のお客様は公式WEBをご覧ください。)
平等院鳳凰堂
平安時代後期、天喜元年(1053)に、藤原頼通によって平等院に建立された阿弥陀堂です。華やかな藤原摂関時代をしのぶことのできるほとんど唯一の遺構として、貴重な建築です。
最も大きな特徴は池の中島に建てられていることで、あたかも極楽の宝池に浮かぶ宮殿のように、その美しい姿を水面に映しています。
堂内の中央には金色の丈六阿弥陀如来坐像が端坐し、周囲の壁および扉には九品来迎図、阿弥陀仏の背後の壁には極楽浄土図が描かれています。そして左右の壁の上部には52体の雲中供養菩薩像が懸けられています。
「鳳凰堂」の周囲には池を配した庭園(史跡・名勝)がありますが、創建当初は宇治川や、対岸の山並みを取り入れて、西方極楽浄土を現わしたものといわれ、各地の寺院造営に影響を与えました。
4月下旬から5月初旬には、境内の樹齢200年といわれる藤が見事に花開き、幻想的な世界に彩りを添えています。
平等院ミュージアム「鳳翔館」
宗教法人としては全国初の登録総合博物館。
設計は、栗生 明氏(建築家、千葉大学教授)によるもので、鳳凰堂を中心に史蹟名勝に指定されている庭園の風致と調和した外観を実現するために大半を地下構造としながら、館内は自然光を意図的に取り入れたり、光ファイバーなどを使用した照明の工夫が施されており、国内最大のガラスウォールケースを使用するなど、展示物に対する空間特性を生かす構造となっています。
「鳳翔館」では、数々の宝物とあわせてその発掘調査による出土品や古図なども一堂に展示するとともに、最新デジタル技術を駆使した復元映像展示や、超高精細画像による国宝検索システム、高彩度映像による鳳凰堂内の彩色再現などのレファレンスシステム、さらに、国宝や重要文化財等の修理や修復を行う空間や設備も兼ね備えた、『体験型 エコミュージアム』です。
(写真:連載コラムの取材撮影に平等院を訪れる奥山氏)
拝観時間・拝観料
■平等院庭園
開門 午前8:30~閉門 午後5:30
(午後5:15 受付終了)
■平等院ミュージアム鳳翔館
開館 午前9:00~閉館 午後5:00
(午後4:45受付終了)
■鳳凰堂内部
通年 受付:午前9:10~午後4:10
(午前9:30より拝観開始、以後20分毎に1回50名様)
右記に別途ご志納金 お一人様300円が必要です。
■入園 +鳳翔館 (平等院ミュージアム)
個人 | 団体(25名以上) | |
個人 | 600円 | 500円 |
中高生 | 400円 | 300円 |
小学生 | 300円 | 200円 |
1名様を半額。
※京都市観光協会の修学旅行パスポートをお持
ちの場合は拝観料が割引になります。
アクセス
〒611-0021
京都府宇治市宇治蓮華116
TEL:0774-21-2861
■電車
・JR奈良線で「宇治駅」下車、東へ徒歩10分。
・京阪電鉄宇治線で「京阪宇治駅」下車、徒歩10分。
■お車
【大阪方面から】
名神高速「大山崎」ジャンクションから京滋バイパスに乗り換え、「宇治西」インターから京滋バイパス側道を直進
【名古屋方面から】
名神高速および新名神「瀬田東」ジャンクションから京滋バイパスへ乗り換え「宇治東」インター出口左折
【奈良方面から】
京奈和自動車道「城陽」インターから国道24号線を経て京滋バイパス側道へ右折