大化2年(646)に奈良元興寺の僧道登によって架けられたと伝えられ、その由来が橋寺の「宇治橋断碑」に記されています。現在の橋は1996年3月に完成したものですが、ヒノキ製の高欄に青銅製の擬宝珠を冠し、宇治橋が持つ歴史的なイメージと、周辺の景観にも調和したデザインとなっています。上流側に張り出した「三ノ間」は、守護神「橋姫」を祀った名残りとか、豊臣秀吉が茶の湯に使う水を汲ませたところともいわれ、上流の眺めは絶景です。
日本三古橋のひとつ、宇治橋
宇治橋は、「瀬田の唐橋」と「山崎橋」と共に、日本三古橋の一つに数えられます。宇治橋のいわれは、東詰の橋寺放生院にある「宇治橋断碑」に刻まれています。古今和歌集や紫式部の源氏物語にも登場しまた、能の「鉄輪」で登場する橋姫伝説でも有名である。 橋の東詰には、狂言の「通圓」のモデルとなった通圓茶屋があります。
また、1995年6月に場所を移転した京阪宇治駅も、橋の東詰にあります。京阪宇治駅を降りるとまず目にすることができ、宇治橋からの眺めは、しばしの感慨と休息を与えてくれます。
現在の橋は、1996年(平成8年)3月に架け替えられたもので、桧造りの高欄は、橋の姿が宇治川の自然や橋周辺の歴史遺産と調和するように、擬宝珠を冠した木製高覧という伝統的な形状を使用しています。改築の際には、現存する最古の擬宝珠の、形状と大きさに合わせたものが作られました。上流側には張り出した場所を設けてあり、これは橋の守り神である橋姫を祀る、「三ノ間」です。豊臣秀吉が、ここから茶の湯を汲ませたという逸話もあります。現在でも、宇治の茶まつり「名水汲み上げの儀」では、この宇治橋三ノ間で行われます。
宇治橋のたもと、通圓茶屋
創業850年。平安時代末期から宇治橋のたもとで、旅人にお茶を振舞ってこられた日本でもっとも古いといわれるお茶屋さんです。
その昔から宇治橋の橋守として、先祖代々、橋を守りお茶を振るまい続けて来られました。狂言「通圓」に登場したり、小説宮本武蔵に登場したりと、歴史の中でいろいろな舞台に使われています。
現在は、茶房で本場宇治の茶そばや茶だんごなど、宇治川を眺めながらゆっくり頂けます。
豊臣秀吉に仕え、宇治橋三ノ間での水汲みを仰せつかったこともあるそうで、お店の中には、豊臣秀吉が千利休に命じて作らせた水汲みの釣瓶や、400年前から使われている茶壷、800年前から使われていた釜など、歴史的に貴重な数々の品が置かれています。
(写真:連載コラムの取材撮影に通圓を訪れる奥山氏)
アクセス
〒611-0021
京都府宇治市宇治東内
■電車
・JR奈良線で「宇治駅」下車、東へ徒歩約10分。
・京阪電鉄宇治線で「京阪宇治駅」下車すぐ。
■お車
【大阪方面から】
名神高速「大山崎」ジャンクションから京滋バイパスに乗り換え、「宇治西」インターから京滋バイパス側道を直進
【名古屋方面から】
名神高速および新名神「瀬田東」ジャンクションから京滋バイパスへ乗り換え「宇治東」インター出口左折
【奈良方面から】
京奈和自動車道「城陽」インターから国道24号線を経て京滋バイパス側道へ右折