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- 京都をつくる、京都の土産 Vol.5
【宇治橋】 日本三古橋の一つに数えられる宇治橋。古今和歌集や源氏物語にも登場する。宇治川や周囲の自然と融和した景観が見事だ(宇治市宇治)
『この美味しさを届けたい』。その気持ちに和む
以前、佐賀県で牧場を営む知人から自家製ヨーグルトをいただいたことがあります。
添加物は一切入っておらず、成分も調整していない。賞味期限が近付くほどトロトロとコクが出てきて、健康的で体にも良い感じがする。ジャージー乳本来の美味しさを驚くほど上手に引き出したヨーグルトでした。それ以上に、知人が自分のご商売とは関係なく僕にその味を届けてくれた気持ちが嬉しかったですね。
『世の中には知られていないけど、この美味しさを味わせてあげたい』という思いが伝わる。その気持ちにまずはほっこりさせられますよね。
日常的、でも一つ格上の贈り物を
自分が贈るなら、相手に親しみを感じてもらえる品物がいいですね。ただ、いくらポピュラーと言ってもコンビニやスーパーで売っているような品ではあんまりだよね(笑)。
素材や製法、パッケージにちょっとしたこだわりが感じられて、いいものを見つけたなという満足感を得られるものがいい。お茶漬け一つとっても、きちんと乾燥野菜が入っているとか、ふりかけだって味がきりっとしているとかね。
そういう意味で、宇治には『日常的な品だれどワンランク上』というお土産が多い。
いずれにしても義理の付け届けではなく、自分が美味しい、良い品だと感じたから、相手にも贈りたいという気持ちが、贈った人に笑みをもたらすんだと思います。
黒豆はしっとり。じわっとした甘さが口に広がり、噛み締めるほどに味わいが深まる。南瓜もくどくなく、生地にうまく溶け込んでいてとても美味しい。黄色と黒のコントラストも美しく、見た目にも心が弾む。
切り分けやすさもポイント。決して堅くないのに、崩れることがない。美しさをキープしたまま、来客にお出しできる。
大きな缶いっぱいにマカロンが詰められていて、ふたを開けるとココナツの匂いに包まれる。マカロンはサクサクと軽い口どけ。でも、ふんだんに使われているココナツの味と食感がしっかりと主張してくる。
甘いもの好き、ココナツ好きにはたまらない。コーヒーや紅茶にいくつか添えられていたらついつい何度も手を伸ばしてしまいそうだ。
- Vol.0 奥山和由氏 インタビュー
- Vol.1 「京都文化をつくる伝統の京土産」
- Vol.2 「祝いの心の表現に選ぶ京土産」
- Vol.3 「新しい京都を創る革新の京土産」
- Vol.4 「作り手に共感する愛用の京土産」
- Vol.5 「もらうと思わず笑みが出る京土産」
- Vol.6 「四季の京都を愛でる旬の京土産」
- Vol.7 「一年の感謝の心に選ぶ京土産」
- Vol.8 「人に教えたくない隠れた京土産」
- Vol.9 「奥山和由氏が選ぶ京都土産ランキング」
撮影協力:宇治市観光協会(女性鵜匠 澤木氏)