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- 京都をつくる、京都の土産 Vol.3
【?園会館】 代表を務める映画館・祇園会館(京都市東山区)で、初代の映写機とともに。「本来ならガラスケースに入れて保存すべき貴重な映写機です。来場者にじっくり眺めてほしい」
革新とは…失った原点に帰る試み
革新とは、見失った原点に帰ろうとする試みだと思います。始めは純粋だったはずの原点も年月を経て邪念が積み重なると、異形のものになる。そうした邪念を振り払い、純粋に生きるということに戻る。
しかし、革新的な取り組みは日本では難しいと感じますね。わたしも映画の世界で革新を志してきましたが、さまざまな批評や非難を受けました。既成概念や利権に囚われた人々にとって、現状を打破する革新は破壊と同じ行為なのでしょう。
どんな世界にも共通する孤独な闘いだと思いますが、支えてくれるものもあります。大衆の支持です。革新的な取り組みが本当に価値のあるものだと理解され、支持されれば、その革新は成立します。
本物志向にこそ、革新が生きる
逆に言うと、革新を志す者は大衆を常に意識しなければいけない。『分かってもらえなくても構わない』は間違いなのです。
二つの食材を組み合わせて新しい味を作ったとしますよね。ならば、二つの食材がともに生かされ、さらにそれぞれの領域を超える味わいを生まなければいけない。新しさだけでは革新とは呼べません。
京都の食文化においては、原点を見失わず、あくまでも素材の味を生かす方向で進歩していくことでしょう。宇治の味覚や土産物の中には本物志向と革新を兼ね備えた品が多く見受けられます。京都の中でも少し外れた場所にある宇治だからこそ、職人たちのプライドが揺さぶられ、挑戦しようとする土壌が育まれているのかもしれませんね。
真ん中に抹茶餡を使った水まんじゅうを入れ、抹茶のクリームとスポンジで巻いたロールケーキ。普通のロールケーキとは違う食感と味のアクセントが楽しめる。ふわふわの生地と、ぷるんとした水まんじゅうの組み合わせが面白い。その間を抹茶クリームが行き来して…。『洋風和菓子』という呼び方がぴったりだろう。
どれも優しい味わいで体と心を癒してくれそうなチーズケーキ。アボカド好きはもちろん、食べ慣れない人にも違和感のない調和の取れたケーキだ。栄養満点なので、お見舞い品としても喜ばれそう。
冷凍で届くため、好きな時に好きな種類を選んで食べられるのも魅力。
- Vol.0 奥山和由氏 インタビュー
- Vol.1 「京都文化をつくる伝統の京土産」
- Vol.2 「祝いの心の表現に選ぶ京土産」
- Vol.3 「新しい京都を創る革新の京土産」
- Vol.4 「作り手に共感する愛用の京土産」
- Vol.5 「もらうと思わず笑みが出る京土産」
- Vol.6 「四季の京都を愛でる旬の京土産」
- Vol.7 「一年の感謝の心に選ぶ京土産」
- Vol.8 「人に教えたくない隠れた京土産」
- Vol.9 「奥山和由氏が選ぶ京都土産ランキング」
撮影協力:祇園会館、フランソア喫茶室、宇治神社