梅漬けの作業時はいつも真剣。青谷地区の伝統文化を守っています。
梅漬けはすべて手作業。指先の感覚で乾燥の状態を確かめます。
乾燥が進んでくると梅の実も縮み、色も濃くなる。あとは漬け込むだけ。
『山城青谷』の『城州白』の梅のことになると話がとまらない社長。
あふれる郷土愛で表彰されることもしばしば。梅漬け作りの励みになっています。
昔のようにしょっぱい梅漬け
創業は明治23年。今年で120年目の漬物製造・卸業です。
会社のあるこの青谷地区は農産物がたくさん採れるところで梅・柿・らっきょうの産地です。なかでも梅はそれはもう大昔から産地でした。ですので私のところの看板商品も、当然手づくりの梅漬け(梅干し)です。
とは言っても120年前は梅漬けを作ってはなかったようです。
そのころはこの青谷地区で収穫された梅を、そのまま船に載せて水路で市場に卸していたそうです。でもせっかくの梅の産地だからそれだけではもったいないと、そうご先祖は考えまして(笑)、それで一念発起して梅漬けを作るようになりました。
私たちの作る梅漬けの特徴は、昔のままの梅漬けと言うことです。
最近の梅漬けは和歌山県の南高梅さんなんかがそうですけど、皮が軟らかくってしっとり系でしょ。それと量販店さんなんかで一般的に売られてるのは、蜂蜜なんかがたくさん入ってて甘い梅干しが主流です。
でも私たちは昔のまま、皮もどちらかと言えばシッカリした食感があって、昔のようにしょっぱい梅漬けです。これはまず作り方が違うからなんです。
一般的な梅漬けは塩漬けした梅を、水で塩抜きします。そして保存料なんかが入った調味液で味を付けています。
私のところの梅漬けは水につけません。ただ表面の汚れを水洗いして丁寧に取り除いて、それから塩をまぶして樽に漬け込みます。この時水は入れません。数日置いておくと梅から自然に液体の梅酢が出ますから、そうしたら紫蘇を入れてさらに漬け込みます。これだけ(笑)。合成保存料もアミノ酸も着色料も一切使ってません。色は紫蘇から出ている良い色だけです。
昔のままの作り方で、昔のような素材を使って、昔のような皮がシッカリしていてしょっぱい梅漬け、それが市久八木の梅漬けです。
梅酒は知ってても、山城青谷の梅は知らない
何でこんなに昔ながらの作り方にこだわるのかと言えば、やっぱり私はこの地域が好きなんでしょうね。
今は地名としては無くなってしまいましたが、このあたりは昔は山城青谷と言って梅が全国的に有名な産地でした。
でもいま東京に行って、百貨店さんとかで販売させてもらうでしょ、その時お客さんに『山城青谷の梅です』言うても誰も知らない(笑)。梅酒がブームになったきっかけは、この山城青谷の、城州白と言う品種の梅を使った梅酒です。
全国誰でも梅酒は知っているのに、山城青谷のことは誰も知らない。東京でお客さんに話を聞いても『山城青谷?』って感じですよ。これはほんとにさみしいじゃないですか。
私はこの山城青谷のことを、もっともっと多くの人に知っていただきたいですし、山城青谷で収穫された梅と、その梅を使った梅漬けをもっと知って欲しいと思ってます。
そのためには今までと変わらぬ作り方で、昔ながらの梅漬けを作り続けることが大切だと思ってるんです。
店名 | 市久八木 |
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住所 | 城陽市市辺五島64-3 |
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TEL | 0774-52-0124 |
FAX | 0774-52-1900 |
営業時間 | AM8:00-PM17:00 |
定休日 | 水曜、土曜、日曜、祝日 |
取扱商品 | 山城青谷産梅干し、京漬物各種 |
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メッセージ | 明治二十三年創業以来、漬物ひとすじで頑張っております。当店では京を代表するお漬物「しば漬」をはじめとする京漬物の製造に取り組むとともに、全国に誇れる、地元山城青谷産の梅を使用した商品づくりにも力を入れております。 山城青谷で直売をしておりますので、是非京都へお越しの際にはお立ち寄りくださいませ。 |
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