ただ季節や月ごとの色をつけるだけでなく、一日の山の色合いや天気の変化によって菓子の色が変わってきます。そのことが京都の和菓子の魅力であり、和菓子作りの魅力でもあります。盆地の気候や良質な材料の産地だからこそ出せる、伝統的な和菓子です。
京都のお菓子でも、「京菓子」と呼ばれるものは、特に宮中や公家、寺社、茶席などにおける儀礼やもてなし、進物に用いられてきた上菓子のことを指します。 元々は上流階級の人々の間で楽しまれてきたこともあり、その種類も豊富で気品が溢れています。
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八ツ橋(やつはし)
米粉や砂糖などを原料とする短冊形の堅焼き煎餅。
また、生地を焼き上げない「生八ツ橋」も有名です。もちもちとした食感の生地に様々な餡を入れて、季節の味が楽しめます。 -
葛菓子(くずがし)
葛(くず)という植物からとれる葛粉を使用した和菓子。
代表的なものとしては夏の葛饅頭(くずまんじゅう)が有名です。 -
薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)
生地に薯蕷(じょうよ:大和芋、山芋、つくね芋など)を使用した蒸し菓子で、フワッとした優しい食感が特徴的です。薯蕷饅頭を食べるとその老舗のレベルがわかるといわれるほど、シンプルでいて基本を問われる和菓子とされています。
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きんとん
元々は唐菓子の「こんとん」からきたものとされおり、練った小麦粉に砂糖や餅を入れたものです。特に京都の「きんとん」は、餡を裏ごしして、栗のイガのようにした生菓子のことを指します。ざる等で裏ごしするため、ざるの目の大きさによって、細くなったり太くなったりと、様々な表情の「きんとん」ができます。
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棹物(さおもの)
一般的に、蒸して作る、羊羹(ようかん)や外郎(ういろう)を棹物と呼びます。
最近ではスポンジケーキ風の蒸し菓子や、餅を巻くロールケーキ状の和菓子なども棹物と呼ばれることが多くなっています。一口サイズなど小さく切り分けて出されるのが一般的です。