- ホーム
- 2012ミス・ユニバース・ジャパン 原綾子さん × 宇治茶伝道師小山さん 特別対談
- 原さん
いまは宇治茶の世界文化遺産登録に向けて努力されているそうですね。
- 小山さん
実はこのたび京都府知事から「宇治茶伝道師」の委嘱を受けました。
今回の対談も、美の伝道師と宇治茶の伝統師のコラボだと思っています。
この伝道師の先には世界文化遺産登録が視野に入っています。
世界遺産登録を目指す背景には、ペットボトル入りのお茶の台頭に対する危機感があります。
緑茶ドリンクが最初に発売されたとき、わたしたちお茶の関係者は喜びました。コーヒーや炭酸などほかの飲料から、お客様を呼び戻すことができると期待したんです。実際、その通りになりました。ただ、急須でお茶を入れていた人までドリンク茶に流れてしまいました。
いまのままでは茶を飲む文化や伝統をきちんと伝えていくことはできません。
現在、京都府が検討委員会を設け、世界文化遺産の国内候補地の暫定リスト入りを目指しています。国の重要文化的景観に選ばれた宇治市の茶問屋街や茶園の風景に加えて、日本人の精神文化の基である茶道文化も融合できればと考えています。
- 原さん
-
ペットボトルでは、水分補給という利便性が先ですね。
急須でお茶を淹れるという、一家団らんの楽しみがありません。
茶道はお茶碗一つでも大切に扱います。ペットボトルはポイと捨てられるので、ありがたみも違う。
- 小山さん
日本茶の素晴らしさを広めて、海外でも飲んでもらえるようにしたい。
そのために世界文化遺産への登録を通じて世界にアピールすることが一番だと考えています。
いずれはフランスのボルドーワインのように、世界に認められ、愛される飲み物、産地になってほしいですね。
- 原さん
日本茶は、日本が持つ独特の文化の一つ。
どう広めるのかはわたしたちの心持ち次第だと思います。
日本人は、海外で認められてようやく、自分たちの良さに気づくようなところがありますよね。
少し残念ですが。お茶の良さを広める作戦を一緒に考えたいです。
- 小山さん
こんなに心強いことはありません(笑)。
「お茶大使」といった感じで、ぜひ訪問する先々でお茶を点ててほしいですね。
- 原さん
世界大会の期間中も、ルームメートにお茶を振る舞ってあげるつもりです。
本番に向けて心を落ち着かせつつ、それ以外の時間でも日本のことを周囲にアピールできればと思っています。
- 小山さん
原さんは仙台出身ということで、東日本大震災からの復興の状況や課題を伝える役割もありそうですね。
- 原さん
まずは世界中から受けた支援に対して感謝を伝えたいと思います。
震災直後から各国のボランティアが被災地に入り、避難生活へのサポートやがれきの撤去などに力を尽くしてくれました。
わたし自身はできなかったことですので、本当に感謝しています。
そして震災から1年8カ月がたちましたが、被災地の復興はあまり進んでいません。
一方で風化が起きています。被災地の環境はあまり変わっておらず、まだまだ支援が必要です。
そのことをしっかりと伝えなければと思っています。
- 小山さん
日本の美と伝統文化、そして復興に向けた現状をぜひ世界に発信してきてください。
- 2012 ミス・ユニバース・ジャパン
1988年3月24日生まれ、宮城県仙台市出身。
約3年前からミス・ユニバース・ジャパンを目指してトレーニングを重ね、2011年初めて同大会に応募。書類審査・一次選考会を通過し、2011年11月に仙台で開催された東北大会に出場、グランプリを獲得した。続く2012年4月、全国各地の代表であるファイナリスト23名出場による『2012ミス・ユニバース・ジャパン最終選考会』にて優勝。2012 ミス・ユニバース世界大会に日本代表として出場する。
特技:伊達家仙台藩作法、趣味:テニス・映画
-
宇治茶伝道師
1947年8月25日生まれ、京都府宇治市出身。
株式会社山政小山園 代表取締役専務。
宇治商工会議所茶業部会長を経て、2007年11月から副会頭に就任、現在に至る。
2012年10月、宇治茶の世界文化遺産登録を目指す京都府から「宇治茶伝道師」としての認定を受け、宇治茶の魅力を世界に発信している。
企画製作:京都宇治土産.com
カメラマン:堀江洋香 ライター:鈴木美智代