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- 2012ミス・ユニバース・ジャパン 原綾子さん × 宇治茶伝道師小山さん 特別対談
- 原さん
一日のすべてを振り返りながら抹茶を立てるのですが、泡の立ち方がその日によってまったく違うんです。
きれいな泡が立たないときは、「きょうは心が乱れているんだな」と気付かされます。
抹茶を立てることで自分自身と向き合い、客観視できるようになったのだと思います。自分の心の内を知り、上手に切り替えたり、落ち着かせたりできるようになったことが、ステージに立つ際の大きな武器となりました。
- 小山さん
原さんの佇まいは、まさに「凛とした」という言葉がぴったりです。
- 原さん
ありがとうございます。
茶道には一つ一つの所作の「間」や余韻があります。
ステージで振り向きざまに余韻を残す、ということも茶道を通じて学んだことです。
茶道をはじめとする日本文化を知る中で、日本人の粋や心の強さも学びました。
代表に選ばれてから世界大会に向けて不安を感じることもありましたが、そんな自分ときちんと向き合えたこともいまでは良かったと思っています。
結果までの道のりも大切にするのが日本人の精神文化。世界の基準に合わせるのではなく、日本人だからこそ持てる強い心で、世界の舞台に臨みます。
- 小山さん
原さんのような若い方にお茶や日本の文化を広めてもらえるのは頼もしい限りですね。
以前、若い世代の人には、抹茶は苦い渋いのではないかという拒否反応がありましたが、いまではだいぶ馴染んでもらえるようになりました。抹茶のスイーツやドリンクが広まったおかげです。いまでは抹茶そのものも抵抗なく飲んでもらえます。
- 原さん
わたしも抹茶のソフトクリームやアイスクリームが好きです。
- 小山さん
いまでは当たり前になった抹茶スイーツですが、宇治で最初に抹茶ケーキを作ろうとしたのはわたしなんですよ。
昭和50年ごろのことです。
しかし、最初はケーキ職人さんがケーキには抹茶は合わないと引き受けてもらえなかったのです。
そこでうまくいかなくても全てのケーキを引き取りますからと始めたのです。隣近所や社員に配って好評でした。
当時は抹茶スイーツがここまで人気になるとは想像もできませんでした(笑)。
原さんが抹茶を選ばれる基準は何でしょう?
- 原さん
お茶屋さんにお薦めを紹介してもらい、ピンときたものを購入するようにしています。
お茶屋さんに伺って面白かった話があるんですよ。
政宗公が豊臣秀吉公から贈られた茶碗のエピソードです。
政宗公は手を滑らせてその茶碗を落としそうになったとき、茶碗一つで狼狽した自分に憤り、あえて茶碗を叩き割ったのだそうです。
大切な茶碗だったのだと思いますが、あえて物にとらわれないようにした政宗公の姿を潔いと感じました。
- 小山さん
さすが政宗公、大胆ですね。
- 2012 ミス・ユニバース・ジャパン
1988年3月24日生まれ、宮城県仙台市出身。
約3年前からミス・ユニバース・ジャパンを目指してトレーニングを重ね、2011年初めて同大会に応募。書類審査・一次選考会を通過し、2011年11月に仙台で開催された東北大会に出場、グランプリを獲得した。続く2012年4月、全国各地の代表であるファイナリスト23名出場による『2012ミス・ユニバース・ジャパン最終選考会』にて優勝。2012 ミス・ユニバース世界大会に日本代表として出場する。
特技:伊達家仙台藩作法、趣味:テニス・映画
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宇治茶伝道師
1947年8月25日生まれ、京都府宇治市出身。
株式会社山政小山園 代表取締役専務。
宇治商工会議所茶業部会長を経て、2007年11月から副会頭に就任、現在に至る。
2012年10月、宇治茶の世界文化遺産登録を目指す京都府から「宇治茶伝道師」としての認定を受け、宇治茶の魅力を世界に発信している。
企画製作:京都宇治土産.com
カメラマン:堀江洋香 ライター:鈴木美智代