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- 2012ミス・ユニバース・ジャパン 原綾子さん × 宇治茶伝道師小山さん 特別対談
2012ミス・ユニバース・ジャパンとして12月に世界大会に出場する原綾子さんは、日ごろから茶道にたしなんでいるという。
宇治茶伝道師の小山茂樹(宇治商工会議所副会頭)が原さんと対談し、茶のもたらす効果や日本の伝統文化を世界へ発信する
意義を語り合った。
- 小山さん
このたびは日本大会での優勝、おめでとうございます。
ミス・ユニバースといえば、私の世代では、児島明子さんが非常に印象深く、当時、日本人・アジア人として初めて優勝された、世界で最も権威のある大会として記憶に残っています。世界大会では、日本の伝統文化をあわせて紹介するという大役を担っているとお聞きしました。
ところで、原さんの特技は茶道だそうですね。
- 原さん
はい。
わたしは伊達政宗公の時代から武士の作法として守られてきた仙台藩作法を以前から学んできました。茶道はその作法のうちの一つです。
茶室という緊張する空間の中で茶道を学ぶことは精神の鍛錬につながります。ステージの上でもきっと役に立つと思い、毎日の就寝前に抹茶を点てるようになりました。いまでは自分と向き合う大切な時間になっています。
- 小山さん
毎日ですか。
日本茶、宇治茶の文化を世界に発信していただくのにぴったりの方ですね。
宇治茶は鎌倉時代初期に栄西禅師(えいさいぜんじ)が中国・宋から茶種を持ち帰り、それを明恵上人が京都栂尾高山寺に植えたのが始まりです。これは葉茶を石臼で粉末に挽いて飲む「抹茶法」で、日本茶のルーツとされています。
また江戸中期に永谷宗円が考案した煎茶は、葉茶を急須で淹れて飲む「煎茶法」で、現在最もよく飲まれているお茶です。
- 原さん
そうなんですね。
まさしく宇治が“日本茶発祥の地”なのですね。
- 小山さん
喫茶の習慣は禅僧の間から広まりました。
禅宗では古くから「茶には三徳がある」と言われています。「不眠・消化・不発」に効くとされる、茶の効能のことです。
禅僧たちが修行の合間に茶を飲み、眠気を防いだり、消化を助けたりする効果があると気付いたのでしょう。
不発とはみだらな考えを払うという意味で、茶を飲んで気分を落ち着かせ、修行に集中したのですね。
お茶はもちろん、健康や美容にも効果的です。
- 原さん
茶道の先生はみなさん若くて元気ですよね。
肌のつやも良い方が多いです。
- 小山さん
茶葉の産地はがんの罹患率が低いという統計があります。
このように、最近ではさまざまな効能が科学的に分かってきました。
わたしは原さんとは逆に毎朝、抹茶を飲みます。
食べ過ぎて腹が出てしまった分、主に消化の助けが目的です(笑)。
原さんは、お茶や茶道が精神面でどのような効用があると感じていらっしゃいますか。
- 2012 ミス・ユニバース・ジャパン
1988年3月24日生まれ、宮城県仙台市出身。
約3年前からミス・ユニバース・ジャパンを目指してトレーニングを重ね、2011年初めて同大会に応募。書類審査・一次選考会を通過し、2011年11月に仙台で開催された東北大会に出場、グランプリを獲得した。続く2012年4月、全国各地の代表であるファイナリスト23名出場による『2012ミス・ユニバース・ジャパン最終選考会』にて優勝。2012 ミス・ユニバース世界大会に日本代表として出場する。
特技:伊達家仙台藩作法、趣味:テニス・映画
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宇治茶伝道師
1947年8月25日生まれ、京都府宇治市出身。
株式会社山政小山園 代表取締役専務。
宇治商工会議所茶業部会長を経て、2007年11月から副会頭に就任、現在に至る。
2012年10月、宇治茶の世界文化遺産登録を目指す京都府から「宇治茶伝道師」としての認定を受け、宇治茶の魅力を世界に発信している。
企画製作:京都宇治土産.com
カメラマン:堀江洋香 ライター:鈴木美智代